自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

癇癪をするにも理由がある

 

癇癪

 

どうでしょうか?ASDのお子さんでそのような行動はありますか?

 

理由が分からない

どうすればいいか分からない

逆にこっちがイライラするといったように

 

お子さんの癇癪が周りに与える影響は大きいものです

 

 

では、この癇癪について、行動の機能やASDの特性の観点から考えていきたいと思います。

 

 

 

最近起こった癇癪について思い返してください。

それはどのタイミングで起こりましたか?

 

例えば、お風呂に入れようと声を掛けたら、癇癪を起こしていた。

という事例があったとします。

 

単純にお風呂が嫌いだからと判断するよりは、お風呂の何が嫌なのか?

お湯に浸かる、シャワーを浴びるという行為を避けたいという「逃避」の行動の機能なのか?その場合、障害特性の「感覚の特異性」の部分が影響しているということになります。

 

癇癪を起こすことで、お風呂に入らなくて済むという経験をしたことで、それを再現しようとする行動という可能性も考えられます。「長期記憶の特性」が影響していることになります。

 

本当はお父さんと入りたいんだけど、癇癪という行動により、お父さんと入りたいという要求を示す行動という可能性も考えられます。「表出コミュニケーションの特性」が影響していることになります。

 

他にも考えられることはありますが、

癇癪という行動の機能について考察することが必要です。また、ASDの障害特性のなかで、お子さんはどの特性が色濃くみられるか?それにより、行動の可能性はより考えられやすいとおもいます。

 

まずは、機能ですね。要求したいのか?回避したいのか?何かを獲得したいのか?

 

癇癪の直前の行動、環境、発生条件をしっかり記録し、行動を分析してみてください。

 

難しいかもしれませんが、客観的に状況を見ることで、何かが見えるかもしれません。行動には必ず原因があります。

 

諦めず、様々な視点を持って考えていきましょう。

行き詰まった時は是非とも私でもいいですが、第3者の専門機関などへ相談してみてください。

行動発生前後の様々な条件を具体的に整理し、人に話したり記録をする事で、また変わるかもしれません。

まずはやってみてください。難しい場合はまた視点を変えて1からスタートするのです。