自閉症だから、ADHDだから、と決めつけてはいけない
ネットを見ていますと、私は自閉スペクトラム症だから、〇〇が苦手だ
とか、
ADHDだから、〇〇ができない
とか、そういった決めつけをしている人が少なからず見かけます。
たしかに、そういった特徴はある人もいますが、必ずしも、全てがあるわけではありません。
何度も言いますが、なぜ、自閉「スペクトラム」と呼んでいるのか?
境い目のない特性がそれぞれあるのです。
0か100ではなく、1から100のどれかなんです。
だから、自閉スペクトラム症の人はこうだ!っと一概に決めつけるのは望ましくありませんし、
また、自閉スペクトラム症を診断されている本人さんも、どうせ〇〇だから、といった悲観的に考えることは後にしましょう。
まずは、前回の記事で挙げた自閉スペクトラム症の特性から、どの特性がどの程度あるのか、を分析し情報を整理することです。
そして、次の段階としては、
じゃあこれら特性とどのように向き合うのか?
少しの工夫で改善できるのか?
といったように、それら特性についての今後の方向性を考えることが必要です。
私たちは生活をしています。そして、自閉スペクトラム症の方も毎日生活をしています。しかし、何かしらの特性があることで、毎日の生活のしづらさや困りごとが発生します。
そのような状況の時に我々はどうすればよいのか?
その1つに
構造化
という考え方があります。
構造化とは、簡単に言えば、自閉スペクトラム症の人に分かりやすいように、環境を整備することです。
自閉スペクトラム症の人に、と書いてましたが、構造化とは、日常生活で様々なところにあります。
例えば、東京の駅のホームには、足跡がついてたり、線が引いてたりしていますよね。
これも構造化のアイディアです。どの場所でどのようにホームで待っていればいいのか、一目見て分かります。
例えば、駐車場には線が引いてありますね。
これにより、どこに止めれば良いのか一目瞭然です。
自閉スペクトラム症の方は、目で見て理解することが得意な人がたくさんいます。
そういった人たちには、日常生活で目で見てわかるような構造化のアイディアがあることで、グッと生活のしやすさがでると思います。
例えば、自閉スペクトラム症のお子さんが小学生だとして、ランドセルを置くとします。定型発達のお子さんであれば、ある程度、自分で空間を区分けして、ある程度、端っこの位置で学習机などの横などに掛ける、置くといったような判断ができると思います。
しかし、自閉スペクトラム症のお子さんが「適当な」場所にランドセルを置くといった場合、場所を空間的に整理する力、つまり、空間の整理統合に困難さがあれば、とんでもない場所にランドセルを置くことになるかもしれません。
そういった時はどうすれば良いでしょうか?
構造化の1つのアイディアとしては、何か1つカゴを用意し、そして、ランドセルの写真を貼り付ければ、カゴという空間の中に、ランドセルの写真で目で見て理解し、ここに入れるということが気付きやすくなります。こういった小さなことでも構造化のアイディアです。
逆に言えば、こういった工夫があることで、自閉スペクトラム症のお子さんは、自立した生活や、質の高い生活に近づくのです。
構造化についても、時々、記事にしていきたいと思います。アイディアはその子によってたくさんの方法があります。人、場所、環境、条件によって様々です。大変かもしれませんが、まずは始めることが大切です。
そしてダメなら再構造化をすればよいのです。
そのためには、障害特性のアセスメントが大事
ということです。