自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

応用行動分析について知る

 

前回の記事では、TEACCHプログラムの書籍から、かいつまんで情報を発信していきました。

 

 

応用行動分析学についても、ぜひとも知っていただきたいので、登場させていきます。

 

TEACCHプログラムとでは、自閉スペクトラム症の人と関わる哲学や考え方ということでした。

応用行動分析学とは、ある行動に対して、前後の環境(人、物など)を分析し、行動の要因やその機能を探るために必要な技法と、言ってもいいと思います。

 

心理学では、顔の表情や仕草などを見て心理的な状態を探りますが、応用行動分析は行動そのものを見るという考えです。

 

自閉スペクトラム症の人では、特性の色濃く出ている人では特に、心理的な状態から来る行動よりは、見た物、人、状態、環境などによって、行動が左右される傾向があります。その行動1つ1つについても、自閉スペクトラム症の特性が影響しており、特性を基盤に行動を分析することが大切です。

 

 

もちろん、自閉スペクトラム症の人を支えるための方法は応用行動分析学だけではありません。

以下のような教育・指導法があります。

 

1.精神分析的アプローチ

この精神分析は1940年代から60年代にかけて、一般的な方法であったそうです。このアプローチでは、自閉スペクトラム症と診断された子どもは、母親と隔離し、別の施設で世話をされ、その子が何か問題を起こした時には、特に愛情と援助に満ちた環境を与えられるという内容です。

 

2.食事療法

自閉症の子どもにはある特定の食事物質への耐性が欠けており、そのために偏食や特異な食事癖が起こるものだと考えて、自閉症の治療を目的として、食事療法を適用していました。 

しかし、自閉症の子どもには本当に特定の物質に対する耐性が乏しいのか、はっきりとした研究はなされていないようです。

 

3.ファシリティテッド・コミュニケーション

FCと略します。FCは親や介介護者が子どもの身体に触れて、文字や単語を指し示させるコミュニケーション補助のことです。FCは自閉症の子どもの内面に潜んだ考えや感情を引き出して伝達させるという方法でしたが、1994年のアメリカ精神医学会による研究で、実際は多くのコミュニケーションが本人ではなく、補助者によって意識的にあるいは無意識に作り出されていたことを明らかにしたそうです。

 

4.聴覚トレーニング

自閉症の子どもは、それぞれどんな周波数に敏感なのかを調べ、敏感な周波数を削除した音楽を、活動の間などに、聞かせるという方法です。

1990年の初頭に流行しましたが、聴覚過敏が不適切な行動の原因という断定はできませんし、その音楽を聴くことで、聴覚過敏が変わるという科学的根拠もないです。

 

5.感覚統合療法

 

6.だつこ法

 

7.オプションズセラピー

 

8.芸術療法

 

9.TEACCHプログラム

 

10.応用行動分析

 

1〜8については、全否定はしません。知識として、頭に入れる程度で良いと思います。

 

やはり、自閉スペクトラム症と関わるために、その障害特性を把握した前提で、TEACCHプログラムの考えをもとに、応用行動分析学のエッセンスを加えることが必要であると思います。

 

次の記事では、応用行動分析の書籍をもとに、書いていきます。

何か質問等ありましたら、コメントください。

参考書籍 f:id:aroeasd:20190915113829j:plain