自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

トークンシンボルはいつ、どのようなタイミングで獲得するのか?

 

トークンシンボルはどういった場面で獲得すれば良いでしょうか?

 

基本的には、強化したい行動の直後にトークンシンボルを獲得してもらうように設定しています。

強化をする際に0.5秒ルールというものがあります。強化したい行動の直後で褒めることにより、その強化したい行動と褒められたという出来事が、より関連付けられやすくなり、結果として行動が強化されるということです。

自閉スペクトラム症のお子さんは、物事の関連付けについての困難さ、逆にすぐに不用意に関連付けてしまうといった、障害特性があります。

こういった特性も理解し、行動を強化できるように努めていくべきだと思います。

 

 

次にトークンシンボルはいつも同じ場面、同じ条件で獲得できるのが望ましいと思います。

支援をする側からも本人からもいつも同じであれば、分かりやすいからです。

そして、しっかりと場面を設定し、条件も一定にします。設定した条件はあるけど、「まぁ、ここまでやってるしいいか。この時にトークンシンボルをあげれば、あとは頑張ってやってくれるからな」という場合は危険です。これは、獲得ではありません。賄賂になります。一度でもわいろをした場合、記憶の特性が強いお子さんであれば、その状況を細かく学習し、次はわいろをしないと、望ましい行動をしないといった状態になる可能性もあります。

 

せっかくトークンシンボルを獲得できる場面を設定していたのに、意味がありません。また一からやり直す必要があります。

 

複数で1人のお子さんを支援するような、事業所の支援者は、しっかりとトークンシンボルを獲得できる場面と具体的な条件を示してください。そしてエラーが出た場合にはどうするのか?など、もしもの場面を想定し、どのように対処するのかも示すべきでしょう。

具体的で労力が必要ですが、1つ1つ具体的にする事で支援の質が上がります。

 

ご家庭でも、仮に母親一人で支援をする場合でも、一人だからこそ、具体的な獲得条件を何か紙に書いて、忘れないようにどこかに貼っておくのも必要だと思います。

トークンシステム1つとっても、ただ褒めればいいのではありません。気をつけるべきことは様々です。多分、まだあると思います。思い出したら記事にします。

 

質問もありましたら、それに関連した記事も作りますので、よろしくお願いします。