受容コミュニケーションの特性
先ほどの記事では、受容コミュニケーションの特性について触れようと思いましたが、いつのまにか、ずれてしまいました。
受容コミュニケーションとは、相手からの情報をどのようにキャッチするのか、ということです。
ASDの人は視覚的な情報をキャッチしやすいのですが、
そのなかでも、具体的にどのような情報がいいのか?
それをアセスメントする必要があるのです。
視覚で示す情報には、文字、イラスト、写真、具体物などがあります。
そのお子さんに人によって、どの情報が得意か異なります。
例えば、歯磨きを示す視覚的な指示があり、最初は「はみがきするよ」といった文字で情報を伝えるとします。しかし、それが伝わっていないようです。
次に、ネットでフリー素材としてあるような、かわいい男の子が歯磨きをしているイラストがあるとします。
しかし、この指示では「歯磨きをするんだな」と関連づけることが難しいお子さんもいます。これも特性の中の1つですよね。
では次に、実際に歯磨きで使う歯ブラシとコップを写真にとり、それをラミネートしてカード化し、指示を出したとします。
しかし、写真の情報よりもラミネートの素材に注目してしまい、ずっとその触り心地を楽しむようにしていたとします(感覚の特異性)
それでは指示が全く入ってませんね。
では、実際に使っている歯磨きとコップを見るとします。これが具体物による情報提示の仕方です。
私が支援するなかで、時間を構造化するために、スケジュール表を必ず提示します。
※ネットから
そして、スケジュールカード1つ作るのに本人さんの特性を見極めて、文字にするのか?イラストにするのか?写真にするのか?具体物にするのか?を考えます。
この特性が受容コミュニケーションの特性であり、情報のキャッチの仕方となります。
上記の話では、視覚情報となりましたが、
私の事業所では、ある程度言葉を話し、支援者へ色々と話をしてくるお子さんがいます。
そして、そういったお子さんには、ホワイトボードを併用しながら私も話掛けています。
しかし、私が話をするなかで、受容コミュニケーションの特性が影響しているな、ということが多々あります。例えば、今日学校で何の授業をしたのか?昨日の晩ゴハンは何を食べたのか?
そのような質問をしても、全然答えられません。何の?という部分が抽象的であったりするからです。
例えば、「あなたが欲しいと思っている〇〇の本はあの店にないよ」といった場合には、もう、その店にはないから、つまりどこにも売っていないんだ。
といったように、こちらが意とする話とは異なり、独特に情報をキャッチしてしまいますし、字義どおりにそのままに解釈をしてしまうのです。
そのような特性が見られるお子さんには、いくら言葉で話ができるといっても、せいぜい、単発で分かりやすく、を心掛けましょう。
プラスして、文字情報やイラストなども活用しましょう。
ちなみにそのお子さんは、イラストを使って情報を伝えようとすると、「恥ずかしい」「いやだ」と言いながら、回避をしようとします。
ゆえに、文字情報を中心となり伝えています。
こういった本人さんのどんな情報が得意なのか?を知ることで、どのようにその子に伝えればいいのか?
が分かってくると思います。