自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

特定の同級生と競うこだわりのケース

 

あろえです。

 

今回は、ツイッターのフォロワーさんのASDのお子さんの日常ツイートについて、私なりの考えを書いていきます。

 

ASDの障害特性の観点から行動の機能を考察し、それに関する構造化のアイディア等について書いていきますが、あくまでも、私なりの意見でありますので、実際のお子さんの状態や環境に合わせて、支えてあげていただければと思います。

 

 

ツイッターは

 

母ちゃんzさんです

@z72278602 

 

ツイートの記事はこちらです

 

https://twitter.com/z72278602/status/1174943823786414086?s=21

 

行動の内容として

 

ASDの娘が、同級生の動きが気になり集中できず、気になる同級生よりも早く支度をして帰りたいが、焦ってイスがちゃんとしまっていないことに注意をされて泣く。

時間が経つと、自分で切り替えることができている。気になる子とは、仲が悪いとか、そういったことはない。学校に慣れてきたからかな?

 

 

ツイートの内容が貼れないので、要約しました。

 

それでは順番に見ていきたいと思います。

 

娘さんの年齢が分からず、文章を見て小学生と仮定します。まず、同級生のお子さんが気になる、という本人さんの行動ですね。

 

たしかに、この部分の行動については、定型発達のお子さんでもあるような、誰かを敵視するという行動の一部にあるかもしれませんが、違った視点で見てみます。

 

 

おそらく、特定の同級生のお子さんばかりに注目しているようです。他にも、クラスメイトがいるはずです。

 

ASDのお子さんはシングルフォーカスです。

細部の情報ばかりに注意が向いてしまい、全体の様子を見るという傾向は少ないです。

細部といっても、様々なレベルの細部であります。

 

気になる同級生の体や動き全体を見ているのか、

その子が持っている鉛筆の種類を見ているのか、

とにかく、こういった見方をしている傾向があります。

 

ゆえに、いま娘さんは、その同級生の子に注意が強く向いている状態なのです。

 

 

次に考える特性が、社会性・対人関係の特性です。

 

相手の気持ちや、相手との関わり方に苦手さがあります。例えば、どのように関わればいいのか分からないから、「競う」ことが、本人さんなりに工夫をした関わり方なのかもしれません。

 

また、この特性が色濃く出ているお子さんは、

「順番に並ぶ・遊びのルール」の理解が難しいという傾向もあります。

 

1列で順番に並ぶというのは、社会が作り出した小さなルールです。しかし、その小さなルールという理解が困難なのです。

 

例えば、すべり台で遊ぶ場合でも、「1番はあの子が滑って、2番目はこの子が滑って、3番目は僕だね!」

 

といったようなルールではなく、

 

「すべり台に僕がきたから滑る!なんで、並んでるの!早くすべりたいよ!」

といったような具合です。

 

 

今回のケースをまとめると

同級生は、娘さんのことは何も気にしていません。

しかし、相手の気持ちや状況を理解することが苦手なので、同級生の子が全然気にせず、帰り支度をしているという状況の理解が困難です。

 

そして関わり方の苦手さも見え隠れしています。

どのように関わればいいのか分からず「競う」のです。一見、「競う」という見方でありますが、本人さんにとっては、「関わり」なのです。

 

その「関わり」に対して強く注意が向いてしまっているため、「イスをしまう」という本来の工程を忘れてしまい、結果、全然注意が向いていなかった「イスをしまっていない」ということに対して、突然教師に指摘され、それを失敗体験として捉えて泣いてしまった。

 

というのが、わたしの見解となります。

 

書きながら頭を整理してました。

対応等については、次の記事にかきます。