自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

多動のお子さんとの関わり方

 

私の事業所でも、多動で注意散漫、1対1の支援が必要なお子さんがいます。

 

おそらく、このような特性の強いお子さんは、たくさんいると思いますし、支援としても難しさがあるのではないでしょうか?

 

周りの状況にも関係なく、走り回る、様々な物に興味があってすぐに興味に流され向かってしまう。

 

事業所の支援としても、基本は1対1となります。

 

事故のないように、常に付き添わなければなりません。

しかし、家庭ではそうといきません。

家では家事などやることがたくさん。しかし、お子さんは動く。だから、目の届く範囲で遊んでもらうといった対応をしているのではないでしょうか?

 

もちろん、お子さんの特性によって差異はあると思いますが。

 

ASDの障害特性の中に、転導性、衝動性、注意注目の特性というものがあります。

 

これは、上記の例であるような行動が該当します。

また、何かに注目できなかったり、逆に注目しすぎたり

あとは、活動の切り替えが困難であるというのもそうでしょう。

しかし、一度注目を向けると継続的に集中しやすい、というのも、強みであると思います。他の特性でもそうですが、ASDの障害特性というのは、悪いところを言っているわけではありません。それら特性を強みとして生かすというのは重要な考え方なのです。

 

 

であれば、例えばこの注意注目の特性が色濃く出ているお子さんには、まず、何に強く注目しているのかを考えてみましょう。

 

そして、やはり、環境調整というのも非常に重要となります。

本人さんが何に注目しているのか知り、家の中、事業所の中では、視覚的に遮断をしておくというのが大切です。

 

ASDのお子さんは視覚的な情報をキャッチするのが得意です。例えば、机の位置を変える。布をかぶせる。パーティションをおく。座る位置を変える。などの調整をすることも検討するべきです。

 

そして、何に強く注目するのか?

 

ASDの人にとって、余暇の確立というのは非常に重要です。

お子さんだけで、自分の時間を過ごすことができるというのは、本人さんにとっても親にとっても楽になるものです。

 

例えば、電車が走る所を見るのが好き。というのであれば、ある一定の時間、プラレールをしてもらうというのを教えてあげましょう。

その際は、ただ単にプラレールを渡すのではなく、必ず、いつまでプラレールで遊ぶのか?(タイマーなどを提示して終わりを伝える)。そして終わったらどこに片付けるのか?(視覚的な指示を出す)

といったように、どのくらい遊び、終わったらどうするのか?を見通しを持つことで、行動は変わる可能性があります。

 

あっちこっちに動き回るというのは、言い換えると、今何をすればいいのか分からないから見たものに行っちゃうんだ

と、解釈することもできます。ASDのお子さんは余った時間、ひまな時間を、自分で順序立てて計画しその余った時間を潰すということが苦手です。

 

だから、単純に興味のあるところへ行くのです。

だから、そのような場合であれば、今何をすべきなのか?スケジュール表の提示等を行い、時間の構造化を図り、支援者が活動の道筋を作るのが必要なのです。

 

多動にも、色々とあるので、これはほんの一例となります。

まずは、何に注目しているか?アセスメントをしてみてください。