自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

癇癪が頻回に起こるケースについて

 

あろえです。

 

今回も読者さんのケースについて、引用し研究に基づいた考察等を行なっていきたいと思います。

 

知識や経験に基づいた私個人の意見も含まれていますので、意見を参考に実際の支援で活用していただければ幸いです。

 

 

それでは本文

あっくんママさんから情報提供をいただきました。

@mama64268932

 

 

色々とツイートを見ていましたら、ママさんの気になるツイートを見つけことが始まりです。

 

 

https://twitter.com/mama64268932/status/1176009397668986880?s=21

 

 

様々な情報があるため、少しずつ触れていきたいと思います。

抜けている、不足している情報があるかもしれませんが、ご了承いただきたいです

 

まずは、本人さんの基本情報としては、

 

ASD  2歳半

・声を出すが、機能はない言語表出

・主訴は頻回な癇癪

です。

 

 

ということで、癇癪について中心の内容となります。

 

まず、癇癪を起こす前の原因について確認しました。

 

 

返答として、

今までは、「食べたい」「テレビ見たい」「外に出たい」などの欲求が阻害された時に癇癪が起きていた。

・最近は、ご飯食べないから介助しようと、お茶碗のご飯にスプーンをさしたら癇癪。フルーツの切り方が気に入らないと癇癪。今までやっても大丈夫だったことですら、癇癪を起こす原因になっています。

とのことでした。

 

おそらく、ここに書いてあることでは、書ききれないほどの癇癪行動が他にもたくさん見られているのだと予想します。

 

 

癇癪があり、ママさんの対応についても確認させていただきました。

 

 

・「共感」「置き換え」「無視」「褒める」といった対応をしているようです。

引用
例えば、朝起きてすぐパジャマのまま外に行きたいと癇癪を起こした。「お外行きたいね。でもご飯が先だよ(共感)」いつも共感では収まりません。

次に「ぶどうを一緒に食べよう(置き換え)」と好きな物を提示します。

これでも100%癇癪は収まりません。

そのうち、どんどん癇癪が酷くなり、手当り次第、物を投げ、床にのたうち回り触れない、危険な状況になりました。

そうなったら、安全な事を確認し、私はリビングに入り朝食の準備をします。(無視)しばらくすると、泣きながらリビングに入ってきます。

朝食を見て激怒。

お皿をぶっ飛ばしました。それから抱っこを要求し、徐々にクールダウン。

抱っこをしばらくして、自ら床に落ちた物を食べる。という感じですね😅

その後も癇癪を繰り返し、親としては何をしたらいいのか困っています。

 

ということでした。

 

 

本人さんの色濃く見られる障害特性や行動の機能について触れていきます。

ここでの行動の機能は、なぜ癇癪を起こしているのか?その前後の行動や環境、条件から機能を探るということです。

 

 

まず、行動の機能には何があるのか?

 

これは、書籍によって表現はまちまちですが、

大別すると

 

好子の獲得、注目の獲得、誘発される

 

となります。

 

本人さんの行動を見ますと

好子(簡単に言えば好きな物や人)の獲得注目の獲得を混ぜ合わせた要素が高いかなと思われます。

 

例えば、

朝起きてすぐパジャマのまま外に行きたいと癇癪を起こした

 

という行動を見ると、一見、外で遊びたいから連れてってよ!という好子(遊び)の獲得をしたいという機能と思われますが、

たしかに外に遊びたいというのもそうですが、以前から癇癪という行動を起こすことで、母が注目をしてくれる(抱っこされる、かまってもらえる、話しかけてもらえる)ということを何度も経験した結果、それが当たり前のような行動となっており、日常で癇癪の行動が頻発していると思われます。

 

この癇癪という行動の背景には、ASDの障害特性となる、

表出コミュニケーションの苦手さ

社会性・対人関係の特性

 

が強く影響しているものと思われます。

 

 

ASDのお子さんは、他者へ気持ちを伝えることに苦手さがあります。

先ほど、本人さんの行動の機能は、好子の獲得が含まれてるといいました。

つまり、好きな物などが欲しいのです。要求をしたいのです。

 

では、要求するときはどのような行動をしますか?

 

〇〇ください。手を伸ばす。大人をつんつんする。

など、一般的な要求の仕方があります。

 

しかし、本人さんの場合は、表出コミュニケーションの苦手さがあるがゆえに、その一般的な要求の仕方も難しさがあるのです。

 

だから、暴れる、蹴る、投げるといった、単純な動作により、自分の要求を伝えようとしているのです。

 

 

これが、本人さんの根本的な癇癪の原因であると推測されます。

 

次の記事で、この根本的な原因をベースに、さらに深掘りした内容や、対処法について記載します。

 

少し難しい問題でもありますので、少々お時間をください。