自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

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遊びのアイテムは、買うだけで満足してはいけない理由

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こんにちは、あろえです。

 

全国では学校の休校が続き、地域によっては放課後等デイサービス等の社会資源が休みとなるため、自宅で一日中お子さんと一緒にいる時間が多くなっているのではないでしょうか?

 

 

こういった状況で考えていかなければいけないのは、遊びですよね。つまりは余暇活動です。

 

余暇活動というのは、定形発達のお子さん以上に、ASDのお子さんには求められることです。そして余暇活動の内容が薄いと様々なトラブルに繋がりやすいため、こういった社会的な状況下の中、まず初めに考えていかなればことは余暇活動であるといえます。

 

では、お子さんに余暇活動を過ごしてもらうために、まず初めに何を考えていますでしょうか?

 

ネットやお店に行って、どのような余暇アイテムが置いてあるか見るという行動を起こすのではないでしょうか?

 

いえ、それでいいのです。まずはアイテムがないと始まりませんからね。

 

最近だとアイテムでもたくさんの種類がありますよね。

お子さんの発達や特性に応じて適切なアイテムは異なりますが、少し例をあげます。

 

例えば、トランポリン。トランポリンは面白いですよね。ピョンピョンと上に跳ねるという、通常では体験できないような感覚を味わえるというのは実に面白いです。

 

例えば、バランスボール。体幹を鍛えたり、ボールをバシバシと叩いてみたり、投げてみたり。意外に使える用途がありそうなアイテムですよね。

 

例えば、子ども用のタブレット。タブレットはゲームというイメージが強いですが、子ども用として作られているのであれば、勉強系や知育系のアプリ等が入っていますので、かなりの万能かもしれませんん。

 

といったように例として余暇アイテムを上げていきましたが、「○○がオススメです!」と私からははっきりとは言えません。

 

それは、お子さんの特性や好み、ご家庭の環境など、人それぞれ異なるからです。なので、例えば、「トランポリンがいいですよ!」なんて言っても、トランポリンを置くスペースがない家庭もありますし、跳ねるという行動が全てのお子さんに適しているというわけではありません。

 

では余暇活動において、どういったことを考えていけば良いのか?

 

それは、「遊び方を教えていくこと」に対して深く考えていけば良いのです。

 

この遊び方を教えていくというのはどういうことか、解説していきたいと思います。

 

簡単に私が言いたいことを説明すると、遊ぶものを与えても、それはその場しのぎにしかならない。将来のことを見据えて、社会的なルールやコミュニケーションを学習してもらうことを重点に考えよう、ということです。

 

例えば、お子さんがタブレット系のアイテムに非常に関心を示し、学習意欲もあることから、最近流行のAmazonの子ども用タブレットを購入したとします。

そうしたら、まずやるべきことは、タブレットの設定を行いましょう。私も調べた程度の知識ですが、子ども用タブレットには、一日に操作できる時間や、制限できるアプリなども設定できるようです。こういったフォーマットの機能があるのであれば、十分に活用していくべきでしょう。

 

タブレットをいつ使用できるのか、というのもお子さんに合わせて説明をしてあげましょう。

ただ単に、「暇な時間になったから使用できる」「子どもが癇癪を起こしたから渡した」逆に「充電がないときだから、今は使用できない」という設定であると、『いつ使えるのか』というのが見通しが持ちにくく、本人さんとしても分かりづらい状況となるでしょう。

 

であれば、『いつ使えるのか』を具体的に教えるために、スケジュール表の活用や、「時から時まで」のルール決め、「○○(お手伝いなど)ができたら」といった設定をしていきましょう。

 

次に『どのくらい使えるのか』も決めます。

11時間、2時間、3時間、その時間設定については、お任せしますが、大事なのはその設定した時間の伝え方です。キッチンタイマーやデジタル時計など、お子さんの理解力にあった方法で良いです。

 

『どこで使えるのか』も忘れてはいけません。いつでもどこでも使えるようになってしまうと、ルール性が薄くなる恐れがあります。具体的に使用できる場所を設定することで、よりルールが強力なものとなるでしょう。

例えば、「〇〇の部屋のこの場所で充電をしながらやる」といったように、あえて、充電をしながら、という設定も良いかもしれません。充電をするということはコンセントに繋がっている状態であり、コンセントという具体的に目で見て繋がっているということがわかるようになるからです。

 

次に『誰が使えるのか』。

ここは社会的な対人関係を学習するためにも、ぜひとも考えておくべき項目です。

お子さんが使用しているときに、例えば兄弟が横から「僕も使う」と言われて奪われてしまったら、使っている子にとっては、それは面白くありません。

また、そういった経験をしてしまうと、自身もそのような物の獲得方法を学習し、間違ったコミュニケーションとして確立してしまいます。

 

そのため、例えば、「今は〇〇さんが使っています。タイマーが鳴ったら使うことができます」といったような文字、またはイラストにより説明が必要となるかもしれません。または、単発的に別のタイマーを使用し、5分間使い、そのあと返す。というルールを伝えるというのも必要だったりします。

この部分は工夫が必要ですが、重要な部分であります。

 

『どうしたら使えるのか』。

つまりは、タブレットをそのまま渡したとしても、コンテンツが豊富であれば、逆に分かりにくいお子さんだっています。なので、そういった場合には、タブレットのアプリを具体的に指定し、の順番でやりましょう。といったように遊び方を教えるというのも一つの工夫であったりします。

 

 

といったような形で、今回はタブレットを例に出しましたが、余暇アイテムによって、我々がやれることは無限大です。そのために大事なのは、お子さんのことをよく知ることです。

日々の観察も含めて、そして困ったときには私でも、誰かに相談し、第三者の視点というのも聞くことも重要でしょう。

 

余暇活動は本当に大事です。小さいときであれば、それはなおさらですので、ぜひとも頑張って取り組んでみてください。

 

 

最後までご覧戴きありがとうございました。

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