「お外に出たい」という行動を多角的な視点で考える
前回の記事の続きになります。
今回、着目する点は、こちらのツイートになります
https://twitter.com/mama64268932/status/1176765726595510272?s=21
朝起きてすぐ、パジャマのまま外に行きたいと癇癪を起こした
の行動についてです。
では、この行動の機能はいったい何でしょうか?
みなさんはどのように考えますか?
お外に行くのが好きだから
こういう考え方が強く出てくるかもしれません。
では、ASDの特性も交えて、この行動の意味について考えていきましょう。
ASDの障害特性で、時間の整理統合の特性があります。
今回のケースであれば、本人さんは外に行きたい!
という思いが強いとして、
しかし、いつ外に行けるか見通しが持てないから、今行きたい!と行動を示しているのです。
ASDのお子さんは、見通しが持てず、不安になる方はたくさんいます。
では、どうすれば良いのか?
一つは、時間を構造化することです。
どういうことか、
あなたの時間の流れを目で見て分かりやすく整理する
っということです。
これは、スケジュールと呼ばれるものであり、活動の流れが一つ一つ目で見て分かるように視覚的に示されているものです。
例えば、時間の見通しを持たせることを目的とするならば、
朝起きる→「トイレに行く」→「ご飯を食べる」→「着替える」→「お出かけする」
といったように、流れを具体物やイラストで示してあげてとよいかもしれません。
具体物で示すなら、
例えば、
左から右、もしくは、上から下にカゴや棚を並べて、一つ一つ、「トイレットペーパー」→「スプーン」→「洋服」→「お出かけの帽子」を置いていきます。
または、前回の要求を学習してもらう、という記事で、カードを使うといいましたが、そのカードと同じ物が、上から下へ一つのスケジュールとして貼り付けてある状態を提示するのも一つの方法でしょう
スケジュールは本当はもっと奥深いものですが、現段階では、簡単な感じでもいいので、見通しを持たせるという観点でこういった支援の方法も考えられます。
次に、
外に出たいという行動のその先を考えていくということです。
外に出て、本人さんは何をしたいのか?
遊具で遊びたい、歩きたい、虫を捕まえたい、などあると思いますが、
真意を把握できれば、これを強みとして生かすことができます。
一つ、交渉という支援があります。
これは、問題行動に対して、〇〇ができたら、あなたの好きなことができるよ。と、相手に交渉し望ましい行動を強化させる技術です。
例えば、本人さんが遊具で遊ぶことがすごく好きだ!
と仮定した場合、
「今日、家の手伝いしたら遊べるよ」
「ご飯を全部食べたら遊べるよ」
「学校に行ったら遊べるよ」
といったような伝え方ができます。
しかし、遊ぶという行動よりは、
食べる、といった消費する系の方が交渉アイテムとしては適切です。
例えば、一口チョコが交渉アイテムとなるならば、食べたら終わりが分かりやすいからです。
ASDのお子さんは終わりの概念を具体的に示すことが必要であり、
食べて無くなるというのは終わりが分かりやすいということです。
しかし、遊ぶというのは分かりづらく、遊具って消えてなくなりませんよね?
その際はタイマーを使用して、時間がゼロになったら終わりという方法で提示することが必要です。
交渉をする場合、本人さんが最大限に好きな物を探すことが重要です。
また、場面によっては交渉が有効となりますが、周囲の条件や本人の状態によっては、交渉することが無意味な場面があります。
要求場面の設定同様、交渉についても、場面を意図的に設定し、簡単な所から交渉できる場面をつくり、経験値を高めていってください。
以上で、今回のケースにおける考察を終了します。
そのほか、日常での問題行動について、ご相談がありましたら、気軽にコメントやメッセージをください。
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