ASDの方、絆創膏貼れますか?絆創膏を剥がす4つの要因と対応について
ASD当事者の方、お子さんがASDの方、少々怪我をして絆創膏を使用する機会があると思います。
あ、地方によって言い方違うと思いますが、絆創膏に統一しますね。
私の事業所の利用児童さんでも、絆創膏を貼るとすぐに剥がしてしまうお子さんがほとんどであり、絆創膏は基本的に職員しか使用しません笑
絆創膏を剥がそうとした時に、ついつい怒ったりすることはありませんか?
「怪我を治すんだから、ちゃんと貼ってなさい!」
っとかとか
こういった絆創膏を剥がす、些細な行動についても障害特性を軸に紐解いていきましょう。
まず第一に、絆創膏がきらいだから、という理由なんてナンセンスです。
絆創膏を剥がす要因について、以下が挙げられます。
一つ目が、細部の情報に注意が向いてしまうため、絆創膏という小さな訳わからんテープが体に貼り付けられると、その情報に注意が向いてしまいます。
そして、触ってみるとぺりぺり剥がれ、その剥がれているという状態に対しても強く注意が向いてしまい、結果として全て剥がすという行動につながります。
2つ目の要因として、障害特性の一つに同一性保持の欲求というものがあります。
指に絆創膏を貼っていたとして、指に絆創膏が貼られたという変化が加わることで、いつもの状態に戻したいという欲求が働き、本人にとっての異物である絆創膏を除去しようとします。
3つ目の要因は、感覚の特異性からも考えることができます。
ASDの方は、定型発達の人に想像できないような、独特な感覚を持ち合わせております。なので、絆創膏を貼るという感覚が不快となり、剥がしてしまうというケースもあります。
4つ目の要因は、他者の注目を獲得したいという行動の機能が考えられます。絆創膏を剥がすことで、身近な他者が「絆創膏はがさないで」「なんで剥がすの」などの声掛けをすると、本人さんにとっては、注目してもらったと、捉えてしまうこともあります。それにより、絆創膏を剥がすという行動が強化され、次貼る時も剥がす可能性は高まるでしょう
上記で挙げたような特性で個々の要因もありますが、複合的な要因も考えることができます。とにかく、こういった特性により、絆創膏を剥がすという行動が発生しているということを考えていかなければいけません。
では、こういった要因が分かり、どうしていけば良いでしょうか?
今回のケースは絆創膏についてなので、多分、軽いキズであることが多いので、最悪何もしなくても大丈夫でしょうが、対応方法については載せていきます。
まず、絆創膏を剥がすという行動について、どの程度保障するのか決定し、周りの支援者と統一することです。剥がすことを全て受け入れるのか?絶対に貼ってもらうのか?など
剥がすのであれば、それで良いと思いますが、貼ってもらう場合には色々と考えていく必要があります
まず、いつ貼るのか?いつまで貼るのか?貼っている絆創膏はどうするのか?
ただ単に絆創膏を貼るのではなく、そういった見通しというのを持たせてあげる必要があります。
そして、見通しを持たせる際には、どのように伝えるのか?
視覚的に伝えることが必要ですが、本人さんはどのような情報が得意か?それを事前にアセスメントし、本人さんに合わせた方法で視覚的に説明をしてください。
次に、今の時代、絆創膏は貼るタイプだけでなく、塗るタイプもあります。そういった物も活用してみましょう。
以上が今回の記事の内容となりますが、絆創膏という例で挙げてましたが、この考え方をベースにして、他の応急処置や医療処置にも応用することは可能です。基本的な考え方は一緒となりますので、ぜひとも、この記事をご活用ください。