水が好きすぎるなら〇〇してみよう
ASDのお子さんで水が好きすぎて、よく親や先生に怒られるというケースがあります
水は難しいもので、手を洗うときに水をだすのは、はむしろ褒められる事ですが、休み時間などに水を思いっきり出して床を濡らすのは怒られ、ただ単に水を出すと言う行動1つとっても、周りからの評価というものは、時と場合と場所で一気に変わります
また、水に関してはこだわりと関連付けられたケースが多いと感じています
例えば、ずっと水を出して手に水をずっとつけているお子さんや水が流れる状況をずっと見ているお子さん等もいます
これも水の感覚的な好子を得るための1つの行動として発生していると思いますが、このような行動を見られるお子さんにはその行動を止めさせよう考えるのではないでしょうか
しかしこのこだわりと呼ばれるものを強みとして生かすのがASDの支援のあり方だと思います
なので水が好きというお子さんに対しては、正確に言えば水に注意が向きやすい水の感覚的な好子を得ようとするお子さんに対しては、1つの方法として、水に関連したお手伝いや作業を提供するのが良いと思います
例えば、水をずっと出して手を濡らすという行動をしていたお子さんがいたとします
それは時間に関係なくタイミングにも関係なくどんな時でも水道を見ればすぐにそのような行動を起こしたとします
そういった場合水を濡らすというのは、手を洗うという行動に類似しているので、具体的に手を洗うという場面を設定するのはどうでしょうか
またそのような場合、いつ手を洗うのか、というのも視覚的に示すことが必要です。
前回の記事でも載せましたけれども、スケジュール表を活用して手洗いという時間を設定するということです
そうすれば本人さんにとっても、いつ手洗いができるのか、と言う安心材料となります
そして、水と関われる時間が具体的に保障されているので本人さんも見通しが持てることになるでしょう。
具体的に手洗いをする時間を設定したら、例えば望ましい手洗いの順番をそこで教えてあげるのもいいかもしれません。
というのは、どうやって手洗いをすれば良いのかと言う順番がわからないが故に、床を水で濡らすという行動につながっている可能性もあります
なので、手順書など本人にわかりやすいように写真や絵を使って水道の近くに手を洗う順番を示しておくのも良いでしょう
そういった形で水を濡らすというこだわりを、手を正しく洗えるという強みとして、変換することもできます
今回は水をテーマにしていましたが、日常でこだわりと呼ばれる行動が見られていると思います。
しかし見方を変えて、それを強みとして生かし、そして新たなスキルを学習してもらうという機会を設けるという考え方もできます。これが自閉症支援における1つの方法であります
こういった考えを持つことで普段の困り事も困りごととして考えにくくなる可能性もあります。
つまりは、こういった考え方を持ち続けることが質の高い支援になるということなのです。