氷山モデルで考える
氷山モデルと言う言葉をご存知でしょうか
日常でASDのお子さんで様々な行動に対する課題があります
その行動面に対する課題について、どのように考えていくのか日々悩む方も多いと思います。
そこで1つの考え方として氷山モデルと言うものがあります。
これは、TEACCHプログラムでの自閉症の行動を考える上での大切な視点でありますので、ぜひとも覚えていただきたいと思います。
氷山と言うのは水に埋まっているでっかい氷を思い出しますよね。
つまり、水の上にある氷が実際に起こっている行動だとして、その行動の要因っていうのは水面下で水の中にある見えない部分となっております。
行動原理というのは根本的には、そういうことになると言う事ですね。
なので、氷山モデルとして考えるならば、行動1つのことに対して表面的には見えていない要因を考えていく必要があるということなのです。
要因については、1つが環境による要因。2つがASDの特性による要因。3つ目が本人の気づきと言うことで考えられます。
1つ目の環境による要因は、周囲には様々な物や人があります。ASDのお子さんはそういった周囲の状況に影響されやすいということを頭に入れなければいけません。
2つ目は特性による要因です。ASDの障害特性によるものと言うことなので、以前にも記事であげたASDの障害特性と言うのを頭に入れる必要があります。
3つ目の本人の気づきと言う部分では、今まで経験してことが関係あります。長期記憶の特性が濃い方であれば、一度学習したことはなかなか記憶を消せないため、過去の経験から来た行動も考えていかなければいけません。
この3つの要因を踏まえて氷山モデルについて考えていきましょう。
1つ例をあげていきます。例えば、お風呂上がった後にパジャマを着ないと言う行動があったとします。
その行動をそのまま見た場合、パジャマを着ないというのは、単にわがままを言っているという見方があります。
しかし、このパジャマを着ないという行動を氷山モデルとして考えていくとどうでしょうか。
環境による要因を見ると、そのパジャマがいつもと違うパジャマだったかもしれません。
そのパジャマのボタンが多いパジャマで分かりにくいと言うことも要因かもしれません。
そのパジャマの背中にあるタグが気になり、着るのが困難なのかもしれません。
暑いと思っていたのに長袖を渡されたのかもしれません。
環境による要因でも様々なことが考えられますね。
では次に特性による要因について考えていきましょう。
そのパジャマがいつも着ているパジャマでは無いのかもしれません(変化への対応の特性) 。
パジャマを着ないでずっと癇癪を起こしていたならパジャマを変えてほしいという、本人さんなりのコミニケーションの1つなのかもしれません。(表出コミュニケーションの特性)
例えば、パジャマの一部分の糸が解けていたことに注目してしまい、着ることができなかったのかもしれません。(注目の特性)
パジャマを着たくないと言う1つの行動に対しても様々な要因が挙げられます。
目に見えないことを考えるというのは凄く難しいことではありますが、それら環境や特性と言う部分にポイントを置いて行動の背景を探っていくというのは非常に重要だと思います。
とにかく問題行動に対して表面的に見ると言う事はぜひとも避けた方が望ましいです。
水面下の要因を見ると言う癖をつけて冷静に見ていく必要があります。
しかし、親と言う立場ではなかなか冷静に見ていくというのは難しい場合が多いと思います。
そういった場合には、第三者の機関に依頼して問題行動に対する分析をしてもらうということも大事な考えとなります。