自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

ファミレスのガチャガチャに強く注目した場合にはどうすればよいか?

ASDのお子さんと一緒にファミレスは行きますでしょうか?

 

ファミレスの入り口によくガチャガチャが設置されていますよね。

ASDのお子さんでも定型発達のお子さんでも、かなり魅力的なものだと思います。

 

今回は、そのガチャガチャについて強く注目した対応等について考えていきたいと思います。

 

まずガチャガチャが設置されている場所はどこでしょうか?

私が知っている限りでは店内の入り口がほとんどです。

 

なのでそのお店に行けば必ず目の前を通ると言う状況になります。

 

 

では、そのような状況でどのように対処していけばよいでしょうか?

 

1つ目の考え方としては、遮断という方法があります。

 

私も経験したことがあるのですが、外出支援をする際に、事前にお店の方と打ち合わせをして店にお子さんが入る場合にだけ、一時的に外してほしいと要望したところ、快く承諾してくれました。

 

その時はガチャガチャの下にキャスターが付いていたようで、移動するのも簡単な状況でした。

 

お店側もこういった一時的な状況という対応であれば、もしかしたら一般のお客さんへの要望に対しても受け入れてくれるかもしれません。

 

なので、店に入る前に保護者さんが先に入って、店員さんにお願いしてみるのはどうでしょうか?

もし、断られた場合や嫌な顔された場合には、もう一生その店には行かないということで(笑

それは冗談ですが、外食産業でも障害者に対する合理的配慮する努力義務がありますので、簡単には軽視できないと思います。

 

 

ガチャガチャを一時的に遮断するだけでも、視覚的な情報に有意なASDのお子さんとっては大きな変化だと思います。

 

もしかしたら、なくなったこと自体に対しても気付かないお子さんだっていると思いますので、1度試してみるのはどうでしょうか?

 

 

 

別の見方で考えていきましょう。

 

ガチャガチャに強く興味を持つと言う事は、ある意味それが強みとなります。

というのは、他の物には興味を示さないのにガチャガチャと言うものに対しては強く興味を示しているということになりますよね。

 

これは、本人さんの好子として捉えていきましょう。つまり、ガチャガチャを交渉のアイテムとして使うということです。

 

例えば、ご飯を全部食べることができたら、ガチャガチャをすることができるよ、といった伝え方もできます。

また、ファミレスの中のガチャガチャをするというのも1つの目的として考え、

家で〇〇のお手伝いができたらガチャガチャをしようね(ついでにご飯も食べる)のように、

ご自宅や学校での行いを交渉の材料としてあげると言うことです。

 

また、もしこういった形で交渉するならば、本人さんへ、いつガチャガチャができるのか、どうしたらガチャガチャができるのか、といったように目で見てわかるような提示をすることで、見通しを持つことができ、安心へとつながります

 

 

 

その他、例えば、ファミレス内のガチャガチャは、そのファミレスでお子様セットを食べるとガチャガチャのメダルがもらえるという仕組みであった場合、それを本人さんへ、ガチャガチャをする条件を満たすことで保障されると言うことを、事前に伝えると言うのも 1つの方法であります。

スケジュールで伝えても良いですし、絵で描いて伝えても良いですし、とにかく、視覚的にそういった見通しを伝えていきましょう。

 

 

最後に、少し手間かもしれませんが、事前にお店へ連絡して、ガチャガチャの存在やガチャガチャの仕組み(お金が必要なのかお子様セットを買うのかなど)、また、一時的に撤去してもらえるのかどうかなどを問い合わせてみるのも良いかもしれません。

 

配慮の必要なお子さん全般に言えることかもしれませんが、事前のリサーチと言うのは必要不可欠だと思います。

そうすることで本人さんが安心して混乱のないように外出ができると言うことなのです。

 

今回はファミレスのガチャガチャの例を挙げて行きましたが、外出支援をするにあたって、ASDのお子さんにとっては様々な情報というのが溢れています。

 

なので、先ほども述べましたのに事前に外出先をリサーチし、本人さんの障害特性や、何が苦手で何が興味を持っているのかというのを踏まえながら、事前にリサーチしていくことが大切です。

 

その他、関わっている福祉サービス機関への相談や行動援護サービスなどを利用するという方法により、本人さんの外出支援をサポートしてもらえることができます。一つ一つ環境にあった工夫をしながら、本人さんが安心して楽しめる外出支援となればいいですね。