戻ってまいりました
あろえです。
久しぶりの投稿となります。
私のプライベートでは、年末年始にかけまして、引越しをしていました。
憧れのマイホームです。
それに伴いまして、ブログ執筆の環境も整えている最中です。
今現在は全てiPhoneでブログを書いていますが、今後は、ipadのスペック高いやつを購入し、キーボード打ちにする予定です。
正直言うと、iPhoneで文章打つのは厳しい状況です。なので、今はブログは少しずつ書いていますが、同時に知識を貯めている最中なので、もう少々お待ちいただければと思います。
のんびりしたブログではありますが、今後ともよろしくお願いいたします。
外出活動の考え、アイディア
私が勤めている事業所では、土曜日や長期休みに利用する際の午後に、外出し体を動かす機会を設けています。
予想ではありますが、他の事業所さんでは、外出の活動は、かなり充実した内容になっているのではないでしょうか?
私の事業所では、正直言って、田舎ですので行くところも限られていますし、公園もそこまで豪華ではありません。少し遠出しないとブランコもありません。
しかし、外出の内容は乏しくても、外出の活動に対する考えやアイディア、目的はしっかりと設定し、意味のある内容になっていると思います。
まず、外出をして、ジュースを買って、公衆トイレに行って、事業所へ戻る。という流れで外出をする場合、まず初めに、その流れを本人さんたちに伝えていますか?ただ単に連れて行くというのは、障害の程度に関わらず、支援とは言えません。
まずは、外出用のスケジュール表を準備しましょう。本人さんたちに合わせて、いつ、どこで、何をするのか?
文字、イラストなど、本人さんたちの特性に合わせて提示をしましょう。
また、事業所と同様の仕組み、イラストで変更事項を説明できるように準備をしてください。
この外出用のスケジュール表があることで、スタートラインに立ったと言えます。
次に内容です。
外出先はどこでしょうか?
私の場合、夏場は公園に行きますが、冬場はウォーキングが多くなります。つまり、歩くということです。
お子さんによっては、歩くという動作に対して物足りなさを感じるお子さんもいるかもしれませんし、歩くこと自体を拒否するお子さんもいます。
その際に必要な考え方として、「歩くのが嫌いだから」というのは、少しもったいないと思います。
それよりは、「目的が分からないのかも」という考え方の方が良い時があります。
例えば、歩く動作だけでは物足りないというのであれば、歩くスタート地点とゴール地点に小さいボールを置き、それを往復しながらひとつずつ集めて、全て集めたら好子が獲得できるといった仕組みを作れば、いつ、どこで、何をして、終わると、どうなる。というのが明確になり、意欲的にウォーキングに取り組めるかもしれません。
例えば、歩くことに拒否をしているのであれば、いつまでウォーキングをすればいいのか伝えるために、タイマーを提示するのもいいかもしれません。
そして、タイマーがなったら車に戻って、歩けたご褒美に好子が獲得できる。その一連の流れを手順書として、提示するのも方法でしょう。
今のは一例となりますが、目的と終わったらどうするのか?一連の流れを明確に伝えることが重要です。伝え方も日々のインフォーマルなアセスメントの結果を通して、興味のあるイラストや注目できるツールを用いて、事前に準備し臨む必要があります。
ウォーキングについては以上です。
続いて、公園での活動です。
公園に行き、子供たちが遊び、そして職員は何をしていますか?
怪我をしないように見守る。一緒に遊ぶ。それも重要です。では、さらに重要なことは何でしょうか?
本人の特性をアセスメントし、特性に合わせた望ましい遊び方を教えること、
だと思います。
例えば、公園遊びの中で、一番顕著に見られるASDの障害特性は、社会性・対人関係の特性です。
公園に滑り台があるとします。
基本的に1人ずつしか滑ることができません。
そのため、順番というのが発生します。
社会性・対人関係の特性で色濃く見られるお子さんで、1番になりたい!という思いが強く出ることがあります。そして、お友達とさまざまな言い合いになるかもしれません。
これは、順番に並ぶという見えない社会ルールの理解や、周囲の状況を見て自身の立ち位置を把握するというのが困難なために、このような行動が見られる特性であります。
コラ、順番を守りなさい!
なんて言っても、理解が困難かもしれません。
そういったことが把握できたら、次にどう対処していくのか、順番を守ることを教えるのか、常にその子が1番に滑ることができる環境を設定するのか、など。方向性を決めます。
例えば、順番を教えるのであれば、滑り台に子どもが並んだら、前から順番に「1、2、3...」の数字を書かれたカードを手渡すことで、今自分が何番目なのか把握できます。先頭の子が滑る前に後ろの子どもに自分のカードを渡す。もらった子どもは自分のカードを後ろへ渡す。それを繰り返す事で、「あとどれくらい」というのが分かりやすくなります。
こういった仕組みが確立されれば、公園の滑り台は一つの学習場所となりますね。
こういった形で、ただ単に外出をするよりは、子どもも職員も目的を持つことで、より一層、外出活動の内容が充実してくるのではないでしょうか。
今回は一例です。皆さんのアイディアを教えてください。では
職員同士の声掛けがもたらす効果
支援論についてです
私は支援をするうえで、声掛けというのを非常に重要視しております。
先に結論ですが、声掛けによる最大の効果は「自分と他者の行動や位置情報を共有できる」ということです。
では説明をしていきます。
放課後等デイサービスやその他、福祉事業所等で働いている皆さんは、同僚の職員へ声かけをしていますか?
私が勤めている事業所では、当初は職員同士の声掛けというのはなく、同じフロアにいても、自分の仕事を淡々とやっているということが多かったでした。そのため、私から声掛けをするようにしたら、他職員も一緒にやってくれるようになりました。
それからは業務が円滑になったのを実感できます。
福祉施設というのは、人対人の支援が基本となります。そして、利用している方をサポートするためにチームとなって行動しています。そのための1つの建物で働いているチームが一丸となって仕事をすることが大事であり、その一つの方法が声掛けということなのです。
私が考える声掛けの効果
1、自分の行動を周りへ知らせることで、他職員も行動の見通しが立てられる
2、自分の位置情報を知らせることで、誰かが自分に用事がある時にすぐに探してもらえる。
3、声掛けなしに行動していると、相手からの印象が悪い
と、考えています。
たった一言声を掛けることで、こんなにも効果がありますね。
しかし、人間同士なので、声掛けの仕方というのも、重要だと思います。
短い声掛けの中にも、誰が、いつ、どこで、を最低限意識することが重要です。
例えば、「トイレ行ってきます」と声を掛けて離れた場合、利用者さんのトイレなのか、自分なのか、受け取った他職員も「?」となりますよね。
そういった声掛けの内容を相手に考えさせてしまうと、逆にロスとなってしまうので、そこは気をつけていきましょう。
「無視をする」という対応をしてはいけない。
困った行動が起きた時に対処するための支援の一つの方法として、「無視をしましょう」という対応があります。
私は、「無視をする」という対応に大きく反対しております。
それはなぜか?結論から先にいいますと、
「無視をする」という対応を取ることで、消去バーストという大きな副作用が発生し、より行動が拡大するからです。
では、どういうことなのか、解説していきます。
まず無視をするという行動は、ABAの中では、消去という用語として使われています。
消去の仕組みとして、消去という行動をとることで、他者からの注目の獲得を得ることができなくなり、時間の経過とともに、記憶から薄まり段々と行動が減少していくというものであります。
しかし、この消去というのは、一概に有効とは言えません。例えば、長期記憶の特性が強いお子さんに対して消去をした場合はどうなるのでしょうか?
ASDの方で記憶力が良いという方はたくさんいます。
そのため、ある行動に対して消去をし、注目の獲得が得られなかったところで、簡単には消去されません。記憶力が良いので、長期間行動を起こすことでしょう。
長期間というのは、個人差がありますが、1年、2年、3年も続くなんてザラにいます。問題行動を何年も耐えられますか?それでも消去をしつづけますか?
さらに、お子さんによっては、消去という対応を取られると、さらに他者へ注目を得るために、行動が強くなる場合があります。これを消去バーストといいます。
消去バーストの状態になると事態はさらに深刻となるでしょう。
それでも、消去の対応を続けるのであれば、その方法を解説します。
やり方は簡単です。問題行動が消失するまで、ただひたすら消去をし続ける。それも完全に、周囲の人も含めて徹底的に消去をする。以上です。
例えば、「常にテレビが付いている状態じゃないと気が済まず、テレビを消すと大声で泣き叫ぶお子さん」という事例があったとします。
仮に自宅で大事なお客さんが来るため、テレビを消さなければいけない時があったとします。
お客さんが来る。テレビ消す。子どもが泣いてる。親は無視してお客さんと話している。何も知らないお客さんはその状態に耐えられるでしょうか?また、親自身も含めて自分の子どもが泣いてる状態をただ黙って見ないフリしている行動に耐えられるでしょうか?
この状況を見たお客さんは、もしかしたらお子さんに話しかけてしまうかもしれません。親は耐えられなくなって、少しだけ話しかけてしまうかもしれません。
もうこの時点で消去の対応は不成立です。一からやり直しですね。
こういったように、消去という対応を成功させるのには、非常に計画的に徹底的に、周囲を巻き込み、そして道徳的に、非常に難しさがあるというのです。だから、消去(無視をする)という対応をとってはいけないということなのです。
なので、周囲の相談者から無視をしましょう、と返答があった場合には、少し考えてみてください。そしてこの記事のことを思い出してくだされば嬉しいです。
どうすれば?という部分については、過去の記事でも載せていますが、改めて少しずつ掲載していきたいと思います。
相談を受け付けております
あろえです
ASD、ADHDに関わるご家族、友人や関係者、当事者の方など、日常の困り事はありませんか?
私のブログでは、ASDにまつわる知識等を発信していますが、実際に関わる上で知識だけではなくABAに基づいた対応やTEACCHプログラムの考え方、構造化のアイディアというのが求められます。
相談内容に応じて、様々な書籍を参考にしながら、私の経験も合わせて、支援のヒントを提供させていただきます。
日常の困り事の他、声かけの仕方や支援ツールのアドバイス、関わり方など、様々な相談に乗ることは可能となります。
保護者さん、当事者さん、支援者さん、学校関係者さんなど、どなたでも料金等は一切いただきませんので、気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら↓
または、コメントください。
vexyla0919@yahoo.co.jp
ASDの特性チェックリスト
はっきりとチェックリストとは言い切りたくありませんが、様々な行動がASDのどの特性に入るのか、まとめたものです。
発達の気になるお子さんがいる方や大人自身など、ぜひともご活用ください。では、日常の行動と特性を挙げていきます。行動は一例を含みます
行動が多く当てはまった場合には、ASDのその部分の特性が色濃く出ていると判断すれば良いと思います。
行動例
・言葉で話された通りに解釈して、裏側に隠さられた意味を理解できない
・単純に話しかけても、反応が返ってこないで、違うことに注目している。
・こちらがしっかりと説明をしたはずなのに誤った解釈をしていた
・言葉で説明をしても伝わりづらい
・絵で説明すると理解しやすい
↓
①受容コミュニケーションの特性
行動例
・こちらが話したことをすぐにオウム返ししてくる
・突然CMのセリフなどを喋りだす
・相手の反応関係なく一方的に自分の好きなことを語りだす。
・ちゃんと言葉で伝えなければいけない場面で、暴力的な行動を起こす
↓
②表出コミュニケーションの特性
行動例
・場の空気が読めない
・言ってはいけないことを制御できず話してしまう
・誰かとアイコンタクトできない、少ない
・自分から相手に関わろうとしない
・「ねぇ、これ見てすごい」と言わない、興味のあるものに大人と共感し指を差す行動がない
・自分が相手からどう思われているのかという認識がない、考えられない
↓
③社会性・対人関係の特性
行動例
・好きな物や興味のある物が目に入ると、すぐにいってしまう。
・だから危ない。車や人にぶつかりそうになる。
・好きなことに熱中したら、なかなか切り替えられない
・または、その逆で次々に好きなものに向かってしまう
・これ見てと言っているのに、なかなか見てくれない
↓
④伝導性・衝動性・注意注目の特性
行動例
・「◯◯をしたら✖️✖️をしてね」と、説明しても、理解できてなかった
・今日◯◯するよね?と執拗に聞いてくる
・「好きにしていいよ」と言っても何も行動しない。
・今優先的にしなければいけないことを自分で判断して行動に移せない
↓
⑤時間の整理統合の特性
行動例
・相手の物の上に自分の物を置くなど、置くべき場所があるのに、そこに置けない
・片付けがうまくできない、言葉で説明しても同じ結果になる
・次の授業が始まるのに、机の上を整理せず、またさらに物を置く
↓
⑥空間の整理統合の特性
行動例
・何か変化があるとパニックになる
・変更があっても対応できない、行動が止まる
・いつも決まった時間や場所で同じ行動をする
・おもちゃをいつも同じ場所に置く
・少し位置をずらすと、すぐに元に戻してくる
↓
⑦変化の対応の特性
行動例
・学校で鉛筆をちゃんと持てたけど、家ではできない
・テレビで見た映像のシーンをおもちゃをつかって再現する
・絵や映像を見たら、本当にそのまま受け取る
↓
⑧般化の特性・関係理解の困難さ
行動例
・行動している時に、あれ?なにするんだっけ?ってなる
・移動してしまうと、やるべき行動を忘れる
↓
⑨記憶の維持の特性
行動例
・いつも同じ場面、場所、時間で同じ行動をする、
・すごく記憶が良い
↓
⑩長期記憶の特性
行動例
・水や光などキラキラしたものをずっと見ている
・蛍光灯を見ていてそこから離れない
・手をヒラヒラさせる
・子どもの声がすると耳を塞ぐ
・太陽の光が強いとすごく嫌がる
・水を見るとピチャピチャとさせる
など
↓
11.感覚の特異性
行動例
・カクカクした動きが気になる
・すごいとはいかないが、なんか少し不器用だなという行動がチラホラ
↓
12.微細運動・粗大運動
挙げるとキリがありませんね。
それぞれ色々な行動がありますが、それらにも理由があります。まずは観察し特性のどの部分に当てはまるか分析をしてみましょう
特別支援学級の在り方を考える時があります
私は学校の教員ではありませんが、色々あって学校の教員の勤務体系をある程度知っており、そして大変さを知っています。
学校の教員と一口にいっても、小学校、中学校、その他もろもろの教員がいます。
その中で、特別支援学級というクラスがあり、そこで指導している教諭がいますよね。
ここでは、通常の小学校、または中学校に在籍しながらも、特別な支援を要するお子さんを別教室で指導するところであります。
特支の学級に在籍しているお子さんは、ADHDや情緒的に不安定など、何かしらの支援が必要なお子さんです。
しかし、そうはいっても普通学校の一部であるため、定型発達の方が学ぶ一般の教育課程も意識された教育というのも受ける機会があるとおもいます。
また保護者さんのニーズに応じて、通常学級の一部の授業に参加するなど、集団での活動に入るといったことがあるとおもいます。
例えば、この記事で話している舞台が中学校だとします。
普通学校の中学生の皆さんはどういう時期でしょうか?
中学生という大人になるための準備の段階であるため、将来に向けて勉強やスポーツなど頑張っていることでしょう。
その中に特別支援学級に在籍しているお子さんが1人いたとします。
ここから、現実的で残酷なことを書きますが、その特支の学級に在籍しているお子さんは、普通の高校に受験をして受かることは可能なのか?
その子の障害の程度にもよりますが、その子が今学ぶべきことは国語や算数などの受験に受かるための勉強なのか?その前に、友人とのトラブルやコミュニケーションの難しさ、社会的なルールが読めないといった、日常生活を過ごす上で、支障はあるだろうか?まずはそういった、身近な課題を解決するのが先決ではないか?
では、特別支援学級の教諭というのは、どうあるべきなのか?
高校に進学させたいのか?トラブルないように中学校を卒業させるのか?少しでも社会生活に役立つような勉強を教えていくのか?
そんなことよりも、まず本人さんの特性は何か?何が得意で何が苦手か?
友人とのトラブルがあるとするならば、将来を見据えて、コミュニケーションの苦手さに着目して、じゃあどうすれば、どのような配慮があることで、本人は社会生活を過ごすことができるのか?
そういったことを構築していくべきではないか?
そんなことを考えてしまう時があります。
特別支援学級で支援が難しいからといって、じゃあ、特別支援学校に編入させようというケースに関わったことがありますが、私は、特別支援学級という所はとても貴重な場だと思っています。
特別支援学校というのは、同じく配慮が必要なお子さんが集まりクラスが構成されている場であります。
特別支援学校と特別支援学級の違いは何でしょうか?
それは、他者の反応が異なるということです。
他者というのは、クラスメイトというのも一つ含まれています。
例えば、特別支援学級のお子さんが、何か社会的に望ましくない行動を取ったとしたら、同学年の普通学校の中学生はどのような反応をとるでしょうか?
優しく気を使って相手をする優秀な生徒さんもいるかもしれませんが、「キモい」といった反応や無視されるといった状況になると思います。
それが周囲の反応であり、社会生活でも同様の反応となるわけです。
しかし、こういった反応があるからこそ、本人もそれに対して何かしらの行動が発生するということなのです。この周囲と本人のそれぞれの反応があって、じゃあ特別支援学級の教諭はどうしていくのかを考えるべきであり、それを解決、工夫をすることで、その子のためになるということです。
つまり、本人の望ましくない行動と周囲の一般的な反応が得られるというのが、いわば、特別支援学級の強みの一つではないでしょうか?
もちろん勉強も大事ですが、まずは将来を見据えて何が大事なのかというのを考えなければいけません。
っということで、上記の内容は特別支援学級を例とした内容でした。もちろん、その子の障害特性に応じて、特別支援学校に行くべきですし、また、発達検査の結果内容によって専門家によるアドバイスというのがあるとおもいます。
個人的には発達検査による、いわばフォーマルなアセスメントよりも、日常の観察で見られるインフォーマルなアセスメントが基板になるのかなとおもいます。
特別支援学級は教育と福祉が混合された現場であり、そこで活躍している教諭というのは、保護者や同僚教諭からの様々な圧力があるかもしれません。
しかし、もっと先を見据えて、本人さんは今何を学ぶべきなのか、どういう配慮が必要なのか、という正当な理由と障害に対する知識を武器にすることで、より良い支援につながるのかなと思います。
支援論について
私は放課後等デイサービス事業所の指導員として日々仕事をしております。
ASDの障害特性に関する記事というのを書き続けていきましたが、どちらかというと私は、社会福祉従者として円滑に支援をするための支援論の方が専門だと思っています。
ですので、今後私のブログに関しては、ASDの障害特性の他、この支援論に関する記事も書いていく予定となります。
この支援論に関しては、福祉従事者として働いている人、指導員向けの記事となりますので、ASDのお子さんがいる保護者さんにとっては、少し理解が難しく関係のない内容と感じるかもしれませんが、それでも指導員としての立場や、指導員はどういう風に考えているのか、指導員としての心構えなどを見ていただき、指導員も保護者さんもお互いに理解を深めてもらえればなと思います。
支援については様々な方法があり、そして事業所によっては全然異なるものとなります。私が書いた内容は、やはりそれぞれの職場環境によって大きく異なると思いますが、しかし基本的な考えは必要だと思います。
指導員というのは、1人で指導しているわけではありません。同僚がいて、上司がいて、部下がいて。そういう環境が当たり前であって、考え方がそれぞれ違いますが、それでも指導する上では、1人のASDのお子さんを同じ目的を持って指導していかなければいけないといけないとおもいます。
同僚との人間関係とか、上司や部下との様々な関係性とかもあって、円滑に支援をしたくてもなかなか難しいっていう時もあったりすると思うんですけれども、でも、そういった環境でもどうしていかなければいけないのかっていうのはやっぱり考えなければいけないということです。
指導員をしていて、日々こういった悩みとかっていろいろあると思うんですけれども、まず、私のこういった記事とかを見ていただいて参考にしていただいて円滑に支援をする方法とか、ヒントとかっていうのを見つけていければなと思います。
私は障害の持った方を支える仕事に携わって約10年となります。
このたった10年のペーペーが語っても良いものかっていうふうに思う時もあるんですけれども、
でも、このこういった指導論に関しても正直センスといった要素もありますし、考え方というのは重要です。様々な考え方っていうのは聞くのは大事だと思うんです。
なので、まずこういった方法があるんだよ。というのを見ていただきたいなと思います。
とにかく、支援っていうのは1人ではないっていう事なんです。
場所が変われば、考え方も一気に変わります。立場が違うと考え方は変わります。保護者さんも学校の先生も福祉施設もそういったものを理解し、それぞれの立場でより良い支援を目指して、そして、同じ目的を持って支援することが大事なのかなと思っています。
まずは、指導員という目線で様々な支援論について、ブログで書いていければと思っています。
いわゆる「グレーな人」、あなたの周りにいますか?
私の親友が働いている職場で、この人ちょっとおかしい、いわゆる「グレーな人」がいるそうです
細かいことや具体的な表現は避けますが、話を聞くとASDの特性にとても当てはまりすぎて思わずニヤけてしまうほどでした。
その親友はとても優しいので、グレーな人本人の行動を話しているときは、「どうしてこんな行動をするのだろう」という思いが強そうでした。
なので、親友にはASDの特性を説明し、その職場で可能な範囲での配慮を提案しました。
提案はしましたが、やはり、職場の勝手というのは実際に働いてみないと分からないものですし、あくまでも提案という形で話をしました
そのグレーの方は、ASDの診断を受けずに、一般で採用をされたようです。
難しいもので、ASDという特性は、ある場面では何の支障もなく周囲に溶け込み問題視されないことがあるが、
しかし、特定の場面になると一気にASDの障害特性が表面化してしまう。
このような状態が一番、当事者にとっても周囲にとっても、一番不利益な状態といえます。
当事者にとっては、これが普通だ、いつもどおりだ。っと思っているわけであり、一方で周囲の同僚や上司としてみれば、このグレーな人とどう付き合えば良いのか?クビにしたくても、今のご時世簡単にはできない。、、、
などの、さまざまな葛藤が出てくるでしょう。
決してグレーな人は一般で働くな!
っという横暴なことを主張しているのではなく、大きな結論とすれば、ASDの特性を早い段階から知っておくこと。または、診断を受けておくことで、将来大人になった時にあらゆる支障が出てきて、生きづらさというのも感じてくる可能性があります。
上記は大人になった時の話ではありますが、
今、自分にいわゆるグレーな状態のお子さんがいたとして、今は学校とか通ってる福祉サービス先でうまく馴染めているから大丈夫!
っというのは、危険である可能性があります。
本当に大丈夫という可能性もあるかもしれませんが、今、大丈夫という状態のお子さんの環境はどうでしょうか?
例えば、学校では集団生活にうまく入り行動できている。という状態が見えていた場合、では、一人の時はどうですか?一人で何か課題をクリアする時にうまくできていますか?また、一人で何かをするという機会は設けられていますか?
集団でうまく行動できるというのは、集団の流れ、動きが指示となり行動しているだけかもしれない。
つまり、手立てが何もないと、何も始められないかもしれない。
ASDの方は、「好きなことをしていいよ」が一番の苦痛です。何をすればいいか分からないからです。
大丈夫という状態である場面の時は、手立てが何もない状態では、どうなのか?ということも一つ、頭に入れておかなければいけません。
また、今が大丈夫であっても、進学などして環境が変わることでASDの方にとっては、世界が大きく変わります。過去の経験を活かすということが苦手である傾向が多いので、また一からやり直さなければいけません。
タイトルから少し外れましたが、今回はここまで
ASDの人は、どのような情報処理の仕方をしているか?それを知ることで接し方が変わると思います。
ASDの人は脳で行われる情報処理の点で定型発達の人とは違いがあります
脳の基本的な3つの働きに沿って、ASDの人の情報処理の違いについて挙げていきます
1.情報のキャッチの質的な障害
我々の生活には様々な情報があります。
定型発達の人は耳や目、鼻、口、肌などを通じて脳でキャッチし、そして処理をしています。
しかし、ASDの方は定型発達の人と情報のキャッチの仕方に違いがあります。
たくさんの刺激がある中で感覚の特異性がありますので、定型発達の人とは違う情報の処理の違いにより、なかなか周りの人からはうまく理解されない場合があります。
2.情報の発信の質的な障害
定型発達の人は、様々な情報を脳で処理して、脳から体の様々な部分に情報を発信しています。
それにより、適切なコミニケーションやその場にふさわしい行動をとることができます。
しかし、ASDの方は脳の情報処理の発信になんらかの質的な違いを持つため、他者とコミニケーションをうまく取ることが難しく、不器用さなどの特性を見せ、その場にふさわしい行動を移すことに困難さがあります。
3.情報を整理することの困難さ
我々定型発達の人は、周囲にたくさんの情報があり、必要なものを選択して優先順位をつけて必要な情報を処理しております。
しかし、ASDの方はそれが困難と言うことです。
つまり、優先順位をつけて必要な情報だけに注目して処理をするというのが困難ということです。
また、複数の情報があると一度に処理することが難しくなります。
例えば、何かの講義に参加したとします。
講義に参加したので、基本的には先生の話を聞いてノートをとってということが必要となりますが、情報に優先付順位をつけることが困難な場合には、周囲の雑音、外の車の音、蛍光灯の光など、様々な情報に惑わされて、本来必要とする情報を自分の中で処理して得ることが難しいということです。
こういったASDの方の情報の処理の仕方の違いというのを理解しておくだけで、関わり方というのはずいぶん変わると思います。
脳は目に見えませんが、様々な機能や働きがあります。ASDの方も我々には想像できない独特な情報のキャッチの仕方があります。
なので、その点を頭に入れてASDの方と日々関わっていくことで見方が変わるのかなと思います。
ASDの方、絆創膏貼れますか?絆創膏を剥がす4つの要因と対応について
ASD当事者の方、お子さんがASDの方、少々怪我をして絆創膏を使用する機会があると思います。
あ、地方によって言い方違うと思いますが、絆創膏に統一しますね。
私の事業所の利用児童さんでも、絆創膏を貼るとすぐに剥がしてしまうお子さんがほとんどであり、絆創膏は基本的に職員しか使用しません笑
絆創膏を剥がそうとした時に、ついつい怒ったりすることはありませんか?
「怪我を治すんだから、ちゃんと貼ってなさい!」
っとかとか
こういった絆創膏を剥がす、些細な行動についても障害特性を軸に紐解いていきましょう。
まず第一に、絆創膏がきらいだから、という理由なんてナンセンスです。
絆創膏を剥がす要因について、以下が挙げられます。
一つ目が、細部の情報に注意が向いてしまうため、絆創膏という小さな訳わからんテープが体に貼り付けられると、その情報に注意が向いてしまいます。
そして、触ってみるとぺりぺり剥がれ、その剥がれているという状態に対しても強く注意が向いてしまい、結果として全て剥がすという行動につながります。
2つ目の要因として、障害特性の一つに同一性保持の欲求というものがあります。
指に絆創膏を貼っていたとして、指に絆創膏が貼られたという変化が加わることで、いつもの状態に戻したいという欲求が働き、本人にとっての異物である絆創膏を除去しようとします。
3つ目の要因は、感覚の特異性からも考えることができます。
ASDの方は、定型発達の人に想像できないような、独特な感覚を持ち合わせております。なので、絆創膏を貼るという感覚が不快となり、剥がしてしまうというケースもあります。
4つ目の要因は、他者の注目を獲得したいという行動の機能が考えられます。絆創膏を剥がすことで、身近な他者が「絆創膏はがさないで」「なんで剥がすの」などの声掛けをすると、本人さんにとっては、注目してもらったと、捉えてしまうこともあります。それにより、絆創膏を剥がすという行動が強化され、次貼る時も剥がす可能性は高まるでしょう
上記で挙げたような特性で個々の要因もありますが、複合的な要因も考えることができます。とにかく、こういった特性により、絆創膏を剥がすという行動が発生しているということを考えていかなければいけません。
では、こういった要因が分かり、どうしていけば良いでしょうか?
今回のケースは絆創膏についてなので、多分、軽いキズであることが多いので、最悪何もしなくても大丈夫でしょうが、対応方法については載せていきます。
まず、絆創膏を剥がすという行動について、どの程度保障するのか決定し、周りの支援者と統一することです。剥がすことを全て受け入れるのか?絶対に貼ってもらうのか?など
剥がすのであれば、それで良いと思いますが、貼ってもらう場合には色々と考えていく必要があります
まず、いつ貼るのか?いつまで貼るのか?貼っている絆創膏はどうするのか?
ただ単に絆創膏を貼るのではなく、そういった見通しというのを持たせてあげる必要があります。
そして、見通しを持たせる際には、どのように伝えるのか?
視覚的に伝えることが必要ですが、本人さんはどのような情報が得意か?それを事前にアセスメントし、本人さんに合わせた方法で視覚的に説明をしてください。
次に、今の時代、絆創膏は貼るタイプだけでなく、塗るタイプもあります。そういった物も活用してみましょう。
以上が今回の記事の内容となりますが、絆創膏という例で挙げてましたが、この考え方をベースにして、他の応急処置や医療処置にも応用することは可能です。基本的な考え方は一緒となりますので、ぜひとも、この記事をご活用ください。
水が好きすぎるなら〇〇してみよう
ASDのお子さんで水が好きすぎて、よく親や先生に怒られるというケースがあります
水は難しいもので、手を洗うときに水をだすのは、はむしろ褒められる事ですが、休み時間などに水を思いっきり出して床を濡らすのは怒られ、ただ単に水を出すと言う行動1つとっても、周りからの評価というものは、時と場合と場所で一気に変わります
また、水に関してはこだわりと関連付けられたケースが多いと感じています
例えば、ずっと水を出して手に水をずっとつけているお子さんや水が流れる状況をずっと見ているお子さん等もいます
これも水の感覚的な好子を得るための1つの行動として発生していると思いますが、このような行動を見られるお子さんにはその行動を止めさせよう考えるのではないでしょうか
しかしこのこだわりと呼ばれるものを強みとして生かすのがASDの支援のあり方だと思います
なので水が好きというお子さんに対しては、正確に言えば水に注意が向きやすい水の感覚的な好子を得ようとするお子さんに対しては、1つの方法として、水に関連したお手伝いや作業を提供するのが良いと思います
例えば、水をずっと出して手を濡らすという行動をしていたお子さんがいたとします
それは時間に関係なくタイミングにも関係なくどんな時でも水道を見ればすぐにそのような行動を起こしたとします
そういった場合水を濡らすというのは、手を洗うという行動に類似しているので、具体的に手を洗うという場面を設定するのはどうでしょうか
またそのような場合、いつ手を洗うのか、というのも視覚的に示すことが必要です。
前回の記事でも載せましたけれども、スケジュール表を活用して手洗いという時間を設定するということです
そうすれば本人さんにとっても、いつ手洗いができるのか、と言う安心材料となります
そして、水と関われる時間が具体的に保障されているので本人さんも見通しが持てることになるでしょう。
具体的に手洗いをする時間を設定したら、例えば望ましい手洗いの順番をそこで教えてあげるのもいいかもしれません。
というのは、どうやって手洗いをすれば良いのかと言う順番がわからないが故に、床を水で濡らすという行動につながっている可能性もあります
なので、手順書など本人にわかりやすいように写真や絵を使って水道の近くに手を洗う順番を示しておくのも良いでしょう
そういった形で水を濡らすというこだわりを、手を正しく洗えるという強みとして、変換することもできます
今回は水をテーマにしていましたが、日常でこだわりと呼ばれる行動が見られていると思います。
しかし見方を変えて、それを強みとして生かし、そして新たなスキルを学習してもらうという機会を設けるという考え方もできます。これが自閉症支援における1つの方法であります
こういった考えを持つことで普段の困り事も困りごととして考えにくくなる可能性もあります。
つまりは、こういった考え方を持ち続けることが質の高い支援になるということなのです。
放課後等デイサービスを見学するポイント
皆さんの住んでいる所では、福祉サービスの選択先はどのくらいありますでしょうか。
人によっては、たくさんありすぎて迷ってしまうという方もいると思います
福祉サービスと言いますが、今回は放課後等デイサービスの話になります。放課後等デイサービスは全国にたくさんありますが、事業者によって様々な特色があります。
一概に同じような支援をしていると言うわけではありません。それぞれ事業者によって、シナリオや活動プログラムの内容が全然違いますので、本人さんの特性に合わせた事業所を選ぶ必要があります。
まず私が勤めている放課後等デイサービス事業所については、TEACCHプログラムの考えに基づいた支援を行っております。
なので、近隣の事業所のようにサッカーをやったりパソコンやったりそういった活動はしていないです。
私が勤めている事業所の場合は構造化支援中心となって、家庭や学校での課題に合わせて生活の質を上げるための支援等を行っております。
そういった活動を望む家庭にとっては、私が勤めている事業所のような放課後等デイサービスを選べばいいと思いますが、例えば、体を動かしたい、集団の活動に適応してほしい、など、そういったことを望むのであれば、他の事業所が望ましいと思います。
放課後等デイサービスを選択する上で、様々なチェックポイントがあります。
例えば、それぞれの事業所の理念を見て共感した放課後等デイサービスを選ぶのも1つの考えだと思いますし、人と人の支援でありますので、見学をしたときに指導員の様子や管理者の様子などを見て、判断するのも1つの方法だと思います。
施設の中の状況も重要ですね。やはり汚い施設であると行きたくないのは誰でも同じです。
後は子供自身に確認するのも良いかもしれません。やはり単純に1回目に見学した時に、行きたいか行きたくないかというお子さんの判断というのも、1つの選ぶ基準となると思います。やはり、本人自身が意欲的にならないといったところで意味はありません。
放課後等デイサービスのプログラムの内容も見ていきましょう。昼食は何時からあるのか、おやつはどのようなものを提供しているのか、余暇活動をする際にどのようなアイテムを揃えているのか。また、余暇アイテムの希望があれば、すぐに揃えることができるのかどうか。本人が好きな余暇活動が提供できるかどうかなど、
厳しい面ではありますが財政的な状況も見ていってもいいかもしれません。そういったことも見学をした際に遠回しにでも聞いてみるのも方法かもしれません。
やはり支援をする上では、アイテムや道具など色々と必要な物が出てきます。それをすぐに揃えると言うことも1つ大事な支援となります。もちろんお金の面もありますが、しかし、事業所としては支援をする上でそういった道具類物品類を揃えていく事は重要です。
事業所の環境はどうでしょうか。
自宅から事業所までどのぐらいの距離でしょうか。
あまりにも距離が遠いと、やはり何かがあったとき、例えば体調が悪くなったときに、突然迎えに行かなければいけないという時に、保護者さんの負担というのは大きくなります。
また距離が遠いという事は送迎時間が長くなりますので、その分利用する時間は短くなります。
やはり車に乗ってる時間というのは、なるべく短い方がいいですね。その分、利用時間にあてればいいと思います。
なので、近くにあるというのは、非常に重要だと思います。
送迎体制はどうでしょうか。
本人さんだけではなく。他のお子さんも送迎をしているはずです。どのようなルートで回っているのか、早く降りるのか後に降りるのか、そういったことも確認が必要です。
お子さんが車に長く乗れないのであれば、やはり早く降ろしてもらうなど、そういった配慮が必要になります。
そういった、送迎体制における配慮をしてくれるかどうかというのも確認していかなければいけません。
上記で色々とあげていきましたが一回の見学で本人さんに合わせた放課後等デイサービスを決定するのは難しいことですなので、1回だけではなく何回か足を運んでみて、また本人さん自身も見学をしてもらってどのような反応しているのかなど、確認をしましょう。
また見学の時点で指導員の人はどのような対応するのかというのも確認していきましょう。
初めてのお子さんと関わる場合こそ、指導員の本質というのが、わかります。
そういった反応を見ていくのも1つの選択肢となるでしょう。
以上が福祉サービス、放課後等デイサービスを見学する際における、選択する際のポイントとなりますが、まずは時間をかけて様々な人と相談をしながらじっくりと選んでいくことが重要です。
カームダウンエリアを作るだけでは、何も解決しない
カームダウンエリアと言うのはご存知でしょうか?
カームダウンというのは、つまり「休憩」ということです。
よく挙げられるのが、教室の片隅に段ボールの囲いがあって、中にはクッションがあって、何かパニックが起きた際にそこに入ってもらう。という事例を聞いたことあるのではないでしょうか。
また、そういった対応を今現在しているでしょうか。
確かにこういったカームダウンエリアというのは必要です。
しかし、カームダウンエリアをどのように使うのか、それが1番重要となります。
カームダウンエリアと言うのは、ただ単に、パニックになった際に避難する場所と言う機能だけではありません。
必要なのは、休憩したいと言う時に、それを支援者へ伝えられるかどうかが大事です。つまりは休憩するスキルと言うことです。
また休憩する際には、いつまで休憩するのかというのも教えていかなければいけません。
パニックになったから、とりあえずそこに行ってもらい、そしてパニックが落ち着くまで休憩をすると言うやり方では、逆にいつまで休憩をすればいいのか、いつまでその場所に入ればいいのか、というのが分かりにくくなり、さらに不安が広がります。
なので、いつまでというのを教える際には1つの方法として、キッチンタイマーなどを使って教えていきましょう。
カームダウンエリアは、いつ入るのかというのも重要となります。
遊んでいる時に特に状態が変わっていないのに突然入るというのはあまり望ましくありません。
そういった自由に出入りすると言う事は望ましくないということです。
ASDの方は空間の整理統合が苦手です。
なので、活動する場所を明確に分けてあげることで、カームダンエリアの機能というのは初めて果たされるということになります。
例えば、遊んでいるときにカームダンエリアで過ごしていたとした場合、本来パニックになった際に入るべき場所が遊ぶ場所として機能してしまうことになり、カームダウンエリアとしての役割はなくなることでしょう。
それだと、せっかくカームダウンエリアを作ったのに意味がなくなってしまいます。なので、カームダウンエリアというのは、支援者が管理された場所として設定していく必要があります
そもそも、よく本などで目にするカームダウンエリアは、なぜ段ボールやパーティションで、そして端っこにあるといった環境になっているのでしょうか。
これは、本人にとって刺激的な情報を遮断するための役割ということです。
つまりは1つは視覚的な情報の遮断です。
視覚的に刺激のあるものを見えないようにするためにパーティションや段ボールなど様々なものを使っているということです。
また、耳での情報に関しては、イヤーマフが良いかもしれません。
イヤーマフに関しては、完全には外部からの音を防ぐことが難しいかもしれませんが、つけていることによる安心感と言うのも得られるので、そういった面ではイヤーマフと言うのは効果が期待されます。
もちろん完全には期待されませんので過信するのはやめましょう。
カームダンエリアの中には椅子などを設置することを個人的にはお勧めしています。
椅子と言うのは空間の整理統合が苦手なASDのお子さんにとっては、非常にわかりやすいものとなっております。
椅子は1人用の幅となっており、1人が座ると言う視覚的な指示となっているため椅子はわかりやすいです。
反対に椅子がなく床に寝転がるといった環境はリラックスできるというふうに思うかもしれませんが、それはそれで1つの方法ではありますが、逆にそのカームダンエリアのなかのどの空間に居ればいいのかわからないと言った場合には、やはり椅子などのものが必要ではないかと思います。
カームダウンエリアに毛布などを置く方もいると思います。毛布というのは人間のようにはいきませんが、温かみがあり、ふわふわしており抱き心地としても良いかなと思います。
なので、人を抱きつくという行動に対しての代替えのアイテムとして、毛布を使うというのも1つの方法だと思います。
以上のようにカームダンエリアでも様々な環境的な工夫が必要です。
本人さんがどのような刺激に対して反応があるのか、気持ちが安定するために人ではなくて代替えのアイテムを使用して何が必要なのか、というのをしっかりとアセスメントして、それをカームダンエリアに集約するというのも1つの方法であります。
後は前述した通り、どの場面でカームダウンエリアに入るのか、いつまでカームダウンエリアに入るのか、カームダウンエリアから出たら次に何をするのか、そういった具体的な指示があることで初めてカームダウンエリアというのは、機能されるということです。
ですので、カームダウンエリアを作ったらそれで安心するのではなくて、具体的な設定を考えていくことも忘れてはなりません。
氷山モデルの考え方について
前回の記事で、氷山モデルについての説明をしました。
これは、1つの問題行動について、氷山のように水面下で隠れている要因を考えていくという考え方です
ちょっとややこしいですが、この「氷山モデルという考え方」についての考え方を書いていきます
まず、氷山モデルを活用するうえで、ASDの人のすべての問題行動に対して当てはめても良いというわけではありません
やはり、行動1つにとっても本人さんのスペクトラムの状況や、周囲の環境、人間関係、文化などがあり、一概に「氷山モデルを活用しましょう」なんてはっきりとは言えません
しかし、氷山モデルの考え方をベースにするというのは、1つの指針となるため必要である。
というのが、私の基本的な考え方です。
前回の記事でこばとさんよりコメントをいただきました。
そのまま貼り付けます
「私はこばとの親御さん達にはサインの意味をまず考えて、と言っていました。見かけにすぐ反応しないで。
サインという言葉は、から笑い・・etcなど意味する気持ちに気付いて!という意味で使っていました」
まず、私が思う事は、氷山モデルはASDの人を支える上での1つの考えであり、他にもたくさんの考え方があります。
なので、こばとさんのような考え方ということについて、否定するつもりはありませんが、文章上、否定的な言葉になってしまったら申し訳ありません
ASDの方にも言語表出ができる人、言語表出ができない人がいます
言語表出ができる人については、その言葉から本人さんの考えを汲み取る材料となりますが、言語表出ができない人については、そういった材料がありませんので本人さんの行動を見ていかなければなりません。
そして、ASDの方が表出する気持ちについて考察していきます。
スペクトラムの度合いにより、本人さんがどこまで気持ちというものを持てるか異なります。
スペクトラムの強い方であれば、本人さんの気持ちが影響した行動よりは、目で見た情報に左右された行動の方が強くなります。
少しドライと思われるかもしれませんが、ASDは脳の機能障害でありますので、一般的な、悲しい・嬉しい・怒りなどの気持ち自体が現れにくいということを頭に入れておかなければいけません。
じゃあどうすればいいか、となり、そこで氷山モデルという考えが登場します。
まずは、ASDの方と関わる上で、彼らの障害特性を知ることが1番です。そこから、行動の意味と言うものが少しずつわかってくるものではないでしょうか
行動には理由があります。行動は目に見えるものです。しかし、気持ちというのは目にみえません。
1つの考えとして、目に見えない相手の気持ちのことについて考えると、キリがありません。
なので、目に見えた行動について氷山モデルをベースに考えると、我々支援者にとっては考える上で区切りがつきやすくなると思います。
障害を持つ本人さんたちも、いろいろとストレスを抱えているかもしれませんが、支援する我々がストレスなどで崩れると意味がありません。なので、我々にも負担が少ないような支援を行うことが必要ですし、さらに知識を得ることでストレスが少なくなると思います。
まとまりのない文章で申し訳ありませんが、また疑問等あればコメントください。がんばってこたえます。