自閉スペクトラム症にまつわるエトセトラ

自閉スペクトラム症(ASD)についての障害特性や支援に関する情報を発信していきます

2019-01-01から1年間の記事一覧

トイレの機械がきっかけとなって、排尿が困難となるケースについての分析

あろえです。 今回は読者さんの実際のASDのお子さんの日常での例を見ながら、障害の特性についての考察等をしていきたいと思います。 研究に基づいた個人の意見となりますので、正解や不正解を求めるものではありませんが、こういった情報をきっかけに、より…

感覚の特異性2

https://www.aroeasd.work/entry/2019/09/19/143040 前回の続きです。 味覚刺激から説明します。 この部分は難しいですね。偏食について合わせて説明します。 ASDの人の偏食は、単純に好きだから嫌いだから、といった味覚刺激に影響されていることにプラスし…

行動の機能 誘発される

以前の記事で行動の機能について触れていきましたが、一番重要な機能については触れていませんでした。 それは、誘発されるという行動の機能です。 何か問題行動が起きた時に、アセスメントする際、どうしても、理由が分からない場合がある時があったとしま…

感覚の特異性って色々あって面白いが、どう向き合うべきか?

ASDの障害特性のなかで、感覚の特異性があります。 これは、感覚刺激が過敏だったり、逆に鈍感だったりする特性です。 感覚刺激とは5つあります。 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚 関わっているASDのお子さんで当てはまっているのはありますか? 例えば、 視覚…

受容コミュニケーションの特性

先ほどの記事では、受容コミュニケーションの特性について触れようと思いましたが、いつのまにか、ずれてしまいました。 受容コミュニケーションとは、相手からの情報をどのようにキャッチするのか、ということです。 ASDの人は視覚的な情報をキャッチしやす…

声掛けばかりの支援になってませんか?

私は放課後等デイサービスで働いていますが、日々支援をする上で注意していることがあります。 それは、声掛けだけの支援、声掛けだけで完結しないようにすることです。 家庭でも、ASDのお子さんと接するときに、声掛けというのはついついやってしまいますよ…

ASDの障害特性一覧と解説

こちらは非常に重要な項目となります。 ASDと言っていますが、発達障害全般的なことですし、強いて言うなら一般の定型発達の方にも、あてはまります。それら特性が強いか弱いか、それだけのことです。 大事なのは、これらの特性を把握し、そして、どのように…

癇癪をするにも理由がある

癇癪 どうでしょうか?ASDのお子さんでそのような行動はありますか? 理由が分からない どうすればいいか分からない 逆にこっちがイライラするといったように お子さんの癇癪が周りに与える影響は大きいものです では、この癇癪について、行動の機能やASDの…

困った行動に対しては機能を分析してみましょう

ASDの人は、様々な行動を起こします。 良い行動をすれば、悪い行動もします。 しかし、その悪い行動というのは、本当に悪い行動なのでしょうか?ASDのお子さん本人が悪いことだと思って起こしている行動なのでしょうか? 応用行動分析のなかで、 ABC行動分析…

ブログ表記について

打ちやすさの観点から、以下の表記を統一します。 が、ぶれたらごめんなさい。なるべく統一します。支援と一緒です 自閉スペクトラム症→ASD ASDの持つ保護者さん→親 ※言い方悪いとおもったらごめんなさい とりあえずこんな感じです。 他、直すところあれば随…

頭の中で時間配分できますか?

前回の記事では、構造化について触れました。 構造化というのは、3つに分けられるというのを把握してください。 物理的構造化 時間の構造化 活動の構造化 というのがあります。 その中で時間の構造化というものについて見ていきます。 自閉スペクトラム症の…

自閉症だから、ADHDだから、と決めつけてはいけない

ネットを見ていますと、私は自閉スペクトラム症だから、〇〇が苦手だ とか、 ADHDだから、〇〇ができない とか、そういった決めつけをしている人が少なからず見かけます。 たしかに、そういった特徴はある人もいますが、必ずしも、全てがあるわけではありま…

「こだわり」なんてものはない

私が勤めている事業所では、自閉スペクトラム症のお子さんの行動に対して「こだわり」という言葉は使いません。 こだわりとは、いったい何なのか? ただ単に本人がそうしたいから、そういった行動をとったから、ではありません。 そのこだわりと言われる行動…

【重要】自閉スペクトラム症の障害特性とは

今までの記事の中で、障害特性というワードが出てきました。解説をしていなかったので、今回書いていきたいと思います。 自閉スペクトラム症のお子さんと関わるうえで、障害特性を把握することは非常に重要です。 そしてこの特性を把握し、ベースとなり、支…

自閉スペクトラム症やADHDで服薬している方へ

薬を飲んでいる方、たくさんいると思います。 そして、薬との向き合い方は非常に難しいと思います。 それはなぜか? 家庭領域と医療の領域、子どもであれば、学校の領域、そして私のような福祉的な領域の複数が絡まるからです。そもそもとして、それぞれの領…

トークンシンボルはいつ、どのようなタイミングで獲得するのか?

トークンシンボルはどういった場面で獲得すれば良いでしょうか? 基本的には、強化したい行動の直後にトークンシンボルを獲得してもらうように設定しています。 強化をする際に0.5秒ルールというものがあります。強化したい行動の直後で褒めることにより、そ…

トークンシステム→好子の獲得

トークンシステム、正式にはトークンエコノミーシステムといいますが、知っている方も多いと思います。 トークンシステムは、いわゆる、ご褒美システムみたいなものです。あらかじめ設定されたポイントを貯めることで、最終的には好子が手に入るということで…

好子の獲得

好子という言葉があります。 これは、行動のすぐ後に提示することによって、その行動が起こりやすくなる物を指します。 例えば、部屋の掃除をして、好きなお菓子がもらえるという設定にしたら、次は積極的に部屋の掃除をするようになっていくでしょう。 しか…

応用行動分析について知る

前回の記事では、TEACCHプログラムの書籍から、かいつまんで情報を発信していきました。 応用行動分析学についても、ぜひとも知っていただきたいので、登場させていきます。 TEACCHプログラムとでは、自閉スペクトラム症の人と関わる哲学や考え方ということ…

自閉スペクトラム症に関連した書籍についての違い

世の中には、自閉スペクトラム症について書かれた書籍がたくさんあります。 しかし、自閉スペクトラム症については日々研究をされているため、情報は常に変わりつつありますし、正解のない分野でもありますので、著者や専門分野からの知見によっては、大きく…

共同注意 ジョイントアテンション

共同注意 ジョイントアテンションという言葉があります。どちらも同じ意味です。私はジョイントアテンションと言っておりますので、そちらを使います。 小さい子どもが自閉スペクトラム症の特性が出ているかどうか判断する1つの基準として、ジョイントアテ…

実行機能の困難さ

ここからは、自閉スペクトラム症の病的理解と障害特性について書いていきます 脳の中の前頭前野について触れていきます。 日常生活の様々な場面で、なにかの行動を取る時に、過去に経験をした脳の中の情報にアクセスをします。そして、取り出された情報を整…

TEACCHの原理⑥

⑥療育はあくまでも個別化の概念のもとに行われること についての解説です。 自閉スペクトラム症というのは、障害特性というのがいくつかあります。そして、自閉スペクトラム症のお子さんによって、色濃く見られる特性はそれぞれ異なります。 そういった背景…

TEACCHの原理④

TEACCHの原理④は ④療育プログラムは包括的に調整されなければならないこと です。 包括的にとは、どういうことか言いますと、 つまり、人生全般を支援しなければいけないということなのです。 今関わっている自閉スペクトラム症のお子さんは何歳ですか? 例…

TEACCHの原理③

あろえです TEACCHの原理③は ③療育者はスペシャリストであることを超えてジェネラリストであること でしたね。 スペシャリストとは、いわゆる専門家です。 特定の分野に特化して知識や経験のある人を指します 一方で、ジェネラリストとは何でしょうか? 簡単…

TEACCHの原理②

あろえです TEACCHの原理②は ②療育は両親(家族)と専門家が親密な協力関係で実施すること でしたね。 1960年代の中ごろ、アメリカのショプラー教授などの、TEACCHプログラム創始者は、 当時、自閉症の原因は精神論だー、的な主張が多かったアメリカで、すで…

TEACCHの原理①

あろえです TEACCHの原理①は、 ①自閉症の障害の本質は中枢神経系を含む器質的な問題であり、それが彼らの見る世界や状況の見通しに混乱や影響を及ぼしていること でした。 よく、育て方が悪いからこうなった と、言う人が周りにいると思います。 自閉スペク…

参考書籍一覧

一応載せた方がいいですよね 随時更新します。

TEACCHプログラムの6つの原理

あろえです。 初回はTEACCHプログラムの本を参考に書いていきます。 分からない方も多いかもしれませんが、何回も読み返し、そして皆さんでも色々調べ、知識を深めていってください。 さて、TEACCHとは何か? 自閉スペクトラム症の人の生活ができるだけ自立…

はじめに

あろえです このブログでは、自閉スペクトラム症の障害特性、TEACCHプログラム、構造化支援、応用行動分析、そして支援の方法や考え方がメインとなると思います。 今はスマホで書いているため、途中、表記が省略したりすると思いますが、お許しを また、敬語…